「コンテナ発熱外来」横浜・磯子区に12月開設 休日に専門診療、迅速対応


横浜市磯子区医師会(箕原豊理事長)がコンテナを改造してつくる臨時の「発熱外来」を12月初旬に開設する。休日に発熱患者を専門に診療する施設で、寒さが本格化して増加する患者への迅速対応や、休日急患診療所の負担軽減が目的。新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行も懸念される中、現場の医師は急ピッチで準備を進めている。【中村紬葵、樋口淳也】発熱外来は、医師会や同区の休日急患診療所がある建物(同区磯子1)に隣接する市有地に設けられる。幅約6メートル、奥行き約2メートル、高さ約3メートルのコンテナを二つつなげた施設となる。市有地は2021年3月まで市が貸し出す。コンテナ内は、空気が漏れ出さないよう陰圧状態にするよう改造した。診察室二つと待合室を設け、コンテナ間の空間は、ビニール製のカーテンを設けて待機スペースとする。休日や夜間は、体調を崩した人が、市内各区に1カ所ずつある休日急患診療所や、市内に3カ所ある夜間急病センターを訪れることが多い。ただ、インフルエンザなどの感染症が流行しやすい冬場は、通常でも多くの患者が訪れるため、新型コロナの感染拡大が続く今冬は、診療所などの負担や感染リスクの増加が予想されている。そのため磯子区医師会は、診療所の「別室」として発熱外来を設置。診療所内での感染拡大を防止するなどの観点からコンテナを使って臨時の施設を設けることを決めた。発熱外来の運用が始まれば、診療所を訪れた人についてまず、発熱の有無を確認し、発熱があれば専用の通路を通ってコンテナに案内する。施設では、新型コロナ感染の有無を判断するPCR検査や診察を行うことができる。市によると、コンテナを活用した取り組みは磯子区が「先進事例」という。診療は同医師会の会員医師ら約30人が担当する予定で、12月6日の稼働開始を目指す。同会の箕原理事長は「体調を崩した人が安心して診療所を受診できるよう、準備を急ぎたい」と話す。冬場の発熱患者の対応については、市も対策に乗り出した。市議会に提出予定の12月補正予算案では、新型コロナの感染拡大防止策と医療提供体制の強化費として11億700万円を計上。このうち、診療所や急病センターでの検査・診療体制整備費用として、人件費1億3400万円を盛り込んだ。

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