患者数が少ない「希少がん」の診療・研究を発展させようと、県立がんセンター(宇都宮市陽南4丁目)が「希少がんセンター」の本格稼働に向けて準備を進めている。12月にも広く県民に周知する。診療科や職種の垣根を越えた院内の体制をつくり、県内外の医療機関や研究機関とも連携。患者のサポートにも当たり、北関東を中心とした希少がん対応の拠点化を目指す。希少がんセンターは国立がん研究センターや大阪国際がんセンターなども開設しているが、北関東以北では初めてという。患者数が多い肺、肝臓など「5大がん」に対し、希少がんは人口10万人当たり6例未満。一方で種類が多く、希少がんの総数はがん全体の15~22%を占める。臨床的な研究が進んでいないため、医師の基本的な知識も少ない。患者やその家族が適切な医療機関を見つけられない「がん難民」にも陥りやすいという。