2回の入札で談合か 医薬品卸大手4社捜索―実態解明へ・東京地検など


独立行政法人「地域医療機能推進機構」(東京)が発注した医療用医薬品の過去2回の入札で談合した疑いがあるとして、東京地検特捜部と公正取引委員会は13日、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑でメディセオ(東京都中央区)など医薬品卸大手4社を家宅捜索した。特捜部などは、押収した資料や入札担当者らの聴取を通じ、談合の実態解明を進める。捜索したのは他にアルフレッサ(千代田区)、スズケン(名古屋市東区)、東邦薬品(世田谷区)。関係者によると、4社は2016年6月と18年6月、同機構が運営する全国57カ所の病院用として発注した医療用医薬品の入札で、事前に調整して落札者を決めるなどした疑いが持たれている。2回の入札はいずれも4社だけが参加していた。同機構などによると、18年の入札では147の医薬品群に分類された約7900品目が発注され、契約総額は約739億円だった。うち東邦薬品が約234億円、スズケンが約190億円、アルフレッサが約159億円、メディセオが約156億円分を受注していた。公取委は昨年11月、18年の入札で談合が行われた疑いがあるとして4社を強制調査。4社は課徴金減免制度に基づき公取委に違反を自主申告した。病院などで処方される医療用医薬品の市場規模は約9兆円で、大半は卸売会社を通じて販売される。4社の各グループで9割のシェアを占める。同機構は14年に発足。介護施設や看護学校も運営している。メディセオの親会社メディパルホールディングスは「事態を厳粛かつ真摯(しんし)に受け止め、捜査および調査に全面的に協力する」とコメント。他の3社もそれぞれ「当局の調査に全面的に協力する」などとしている。

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