細胞作製ベンチャーのマイキャン・テクノロジーズ(京都市西京区)は9日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来の人工ヒト白血球を使用し、化粧品や食品といった機能性材料の安全性などを評価する研究用キットを発売した。同社は免疫細胞の一種「樹状細胞」を、感染症などの研究に適した未成熟な状態で大量に増殖する培養技術を確立。キットは、作製した樹状細胞に検体を添加し、炎症を引き起こすタンパク質「サイトカイン」の発生度合いを計測する。細胞培養の必要がなく、検体を用意するだけで2日間で結果が判明する。iPS細胞から作製した均一な樹状細胞を利用するため、既存のヒト細胞などより、高精度で安定した結果が得られる。実験動物試験の代替として、ヒト細胞での安全性評価法の需要が高まっており、食品メーカーなどに拡販する。初年度で約3千万円の売り上げを目指す。