国立がん研究センターは8日、アジア5カ国と協力して、遺伝情報に基づいて最適な治療を施すがんゲノム医療や新薬開発に取り組む「アトラスプロジェクト」を始めたと発表した。患者が少ない希少がんなどの治療法確立を目指すほか、海外の患者に最新の治療の機会を提供する。5カ国はマレーシア、ベトナム、タイ、インドネシア、フィリピン。人口増加や経済発展が進み、がん患者が増えて高度な医療の必要性が高まっているが、医療体制は十分に整っていないという。プロジェクトでは候補薬を人に試す臨床試験(治験)に参加する患者やデータ収集を他国に拡大することで早期の実用化に近づける。日本側は研修や教育を通してノウハウを提供する。予定しているのは子宮頸がんの治験、固形がんの遺伝子を調べる研究。