無症状でもPCR 富士宮市、独自基準で希望者に【新型コロナ】


富士宮市は28日、新型コロナウイルス対策として、市が設ける基準を満たせば医師の問診を経ずに無症状の希望者にPCR検査を実施する方針を固めた。「富士宮方式」と題したこの仕組みでは検査料の一部を市が負担する方針。9月中旬の運用開始を目指す。関係者への取材で分かった。
 関係者によると、自治体が常設で無症状者への検査体制を構築するのは全国的にも珍しい。市は検査基準として感染拡大地域の訪問、同地域居住者との交流、感染者・濃厚接触者との接触の可能性―があった場合を挙げ、いずれかに該当すれば希望者に実施医療機関を紹介し、検査を受けてもらう。
 市は希望者について、感染拡大地域から帰宅した出張者や観光客との接触が多い観光施設従業員、帰省した学生など感染を特に不安視する市民を想定する。重症化リスクが高い高齢者や子どもと関わる医療介護、教育従事者は優先的に手配する。
 市内の感染事例は感染拡大地域からの流入に起因するケースが多く、市は水際で感染者を早期に把握することで家庭内への感染拡大を防ぐ効果があると判断したとみられる。
 現状のPCR検査は体調に異常がある場合に保健所判断による行政検査か、かかりつけ医判断による保険診療検査が行われている。無症状者の検査は保険適用外で一般的に数万円の自己負担となる。市はこのうちの2万円を一律に補助する。

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