リコー、肺がんの遺伝子変異 検査精度を向上


リコーは20日、DNAチップ研究所と血液で肺がんによる遺伝子変異を調べる検査で、検査結果の精度を高められる技術を開発したと発表した。複合機のインクジェット技術を活用することで実現した。肺がんは種類によって遺伝子変異が異なり、効きやすい治療薬も異なる。遺伝子変異を精度よく調べることで治療効果を高められることが期待される。血液から肺がんの遺伝子変異を調べる検査向けに、2社が「DNA標準プレート」と呼ばれるサンプルキットを開発した。チューブ状の容器に肺がんによる変異に特徴的な塩基配列を持つDNA(デオキシリボ核酸)を10~100個ずつ注入して提供する。患者の血液を調べる前に標準プレートで検査することで、検査機器や試薬の精度、個々の作業者の正確性を判別できる。検査5回分を1セットとして税別7万円で医療機関や検査機関向けに販売する。年間4万~5万セットの生産が可能で、2024年度に約1億円の売上高を目指す。リコーは既に新型コロナウイルス向けのPCR検査の精度を調べる標準プレートなどを提供している。同日、2社が開いたオンライン会見で、リコーの源間信弘HC事業本部長は「標準プレートの事業を肺がん以外の遺伝子検査にも広げたい」と話した。同社は複合機のノウハウを生かした技術などを強みに、ヘルスケア事業を25年に500億円規模に育てる方針だ。

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