島津・花王・協同乳業、認知症予防で山口大と共同研究


山口大学は島津製作所、花王、協同乳業の3社と共同で、高齢者の認知機能低下を予防する生活習慣や腸内細菌などについて山口市の住民を対象にした研究を始める。山口大と3社に山口県と山口市が加わった6者が19日、山口県庁で研究連携に関する合意を結び、山口大医学部に同日、共同研究の中心になる社会連携講座を開設した。島津製作所はアルツハイマー型認知症の原因物質とされる「アミロイドβ」を血液中から検出・測定する技術を保有。花王は血液中に微量に存在する「D―アミノ酸」が認知機能の評価指標として有用なことを発見し、解析技術を開発した。協同乳業は抗加齢効果が注目される「ポリアミン」を腸内で増やす技術を持つ。こうした先端技術を持つ3社と山口大が連携し、山口市阿知須地域の高齢者100人を対象に共同研究する。100人を運動・栄養・認知機能訓練の指導を毎週受けるグループ、自己努力で行うグループ、指定のヨーグルトを毎日摂取するグループ、これまで通りの生活を続けるグループに分割。認知機能や運動機能、アミロイドβなどの評価指標の変化、さらに腸内細菌、全ゲノム(遺伝情報)などをAI(人工知能)も活用して分析する。研究は年内に開始し、地域の高齢者には1年半の間、協力してもらう。島津製作所と山口大、山口県、山口市の4者は2018年12月、健康づくりをテーマにした技術連携で合意。具体化に向けて検討した結果、花王と協同乳業も加えて共同研究することになった。

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