発達遅れ支援 バランス良く 作業療法や音楽教育も


七尾病院「地元で育児 思い応えたい」 七尾市松百(まっとう)町の国立病院機構七尾病院は、昨年から「児童発達支援センター」を設置し、発達の遅れが気になる未就学児や小学校低学年の児童を支援する取り組みを強化している。強調されやすい言語聴覚療法だけでなく、手指の運動などの作業療法や音楽教育「リトミック」でバランスの良い成長を促す。泉達郎センター長は「専門的な指導の下で行う発達支援は能登では珍しい。地元で子を育てたいという親の思いに応えていきたい」と意気込む。(中川紘希)センターで十七日、リトミックの時間があった。講師の宮本治美さんがピアノを弾きながら名前を呼ぶと、未就学児二人が順に「はあい」と答えた。その後も、親と一緒に踊ったりボールを投げたりして元気よく体を動かした。泉センター長は「以前は声も出なかった。けど音楽を楽しみながら会話能力も上達した。他の子と触れ合うことで協調性も養っています」と語る。小児神経を専門とする泉センター長によると、子どもの発達では言語能力の遅れが目立つため言語聴覚療法が重視されやすい。だがセンターでは、細かい作業ができなかったり左右を間違えたりする「不器用さ」にも注目。個別のプログラムを作成し、作業療法、理学療法のリハビリ、リトミックなどを体験してもらうことで、運動能力やリズム感を向上させ、「不器用さ」の軽減を目指すという。センターによると、地元の保護者は専門的な指導を受けやすい金沢市などの施設を利用したいと引っ越す場合もある。泉センター長は「この取り組みは親の負担軽減につながる。能登の子どもが地元の小学校に進み、勉強し続けられるように支援していきたい」と話している。関連キーワード

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