京都府の丹後地域で7月、府内では今年初めて、マダニにかまれて感染する致死率の高い「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の感染者が確認された。これまで府内を感染推定地とする症例6件は、全て府北部で報告されている。府丹後保健所は、夏は多くの人が草刈りやレジャーでマダニが生息する草むらや山に行くとして、注意を呼び掛けている。
マダニは大きさ約0・5センチで主に野山に生息し、人にかみつくと吸血して約1・5センチに膨張する。散歩中のイヌやネコに付着することもある。室内のダニとは種類が異なる。SFTSは、6~14日程度の潜伏期間を経て、主に発熱や、下痢など消化器症状が現れる。致死率は6・3~30%で有効な薬やワクチンはなく、感染した場合は対症療法を施すしかない。高齢者は重症化しやすいという。2015年に宮津市内で2件、17年は同市内で1件、18年は舞鶴、宮津両市内で1件ずつ報告された。屋外のダニが媒介する感染症は、発熱や倦怠(けんたい)感がみられる「日本紅斑熱」や、別種が媒介する「つつが虫病」などさまざまだ。保健所によると、かまれた直後は気付かないことが多く、膨張後に違和感から着替えなどの際に見つかることもある。また、自分で取るとダニの体の一部が体内に残ることがあり、医療機関を受診する必要がある。対策としては有効成分を含む市販の虫除け剤も有効だが、付着を全て防ぐことはできない。皮膚を露出させないよう、長袖や長ズボン、手袋などを着用し、タオルなどで首元も覆うことが大切だという。帰宅後はすぐ入浴や着替えをしてほしいとしている。保健所は「かまれた後、数週間は注意が必要。丹後地域は高齢者が多く、特に気をつけてほしい」と話している。