エーザイやアルム、スマホ使い新型コロナ経過観察


エーザイとアルム(東京・渋谷)、東京医科歯科大学はスマートフォンで新型コロナウイルスの感染の疑いがある人や軽症患者を自宅などで見守るシステムを開発すると発表した。スマホのカメラで患者を撮影して酸素飽和度や呼吸数、血圧などを自動測定。症状が重くなりそうな場合に本人や医療機関に通知する。東京都と神奈川県で実証実験し10月にも薬事承認の取得を目指す。現在は医療機関を受診せずに悪化したり、自宅療養中で容体が急変したりする事例があり、改善を狙う。日本医療研究開発機構(AMED)が公募した事業として採択された。医療機関にかかるべき患者を人工知能(AI)の分析で見つけたり、急変前に医療機関に通知したりするシステムを作る。例えば、感染の疑いのある診断前の患者には、問診のほか、エーザイの提供する「嗅覚テスト」を実施することで受診の必要性を判断する。自宅や宿泊施設で療養中の患者は、スマホで生体情報を取得し、重症化の予兆を察知して、本人と医療機関にアラートを通知する。療養中の患者向けでは、嗅覚テストや抗原・抗体検査などの結果を組み合わせることで、療養を終了して社会復帰するタイミングを判断できる。アルムは2020年4月から神奈川県で自宅や宿泊療養する新型コロナ軽症患者に対し、コミュニケーションアプリ「LINE」とアルムが開発・運用するシステムを連携させた療養者管理システムを導入。ただ、体温や血圧、呼吸数、酸素飽和度などの生体情報を取得する医療機器の数は限られており、機器は複数で同じものを使っているという。

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