血液検査機器大手のシスメックスは血液が血栓になりやすいかなどを調べる血液凝固測定装置の新機種を8月に発売する。新たに4つの測定項目を追加。小さな血栓が全身の血管にできてしまう「播種(はしゅ)性血管内凝固症候群」などの病気についても一括で検査できるようになった。医師らの迅速な診断につなげる。血液凝固測定装置「CNシリーズ」2機種を医療機関向けに売り出す。追加した測定項目は同社が免疫測定分野で培った抗原抗体反応による「化学発光酵素免疫測定法」を活用した。対象となるたんぱく質に特異的にくっつく物質を発光させ、その発光量を計測する仕組みだ。従来のCNシリーズだと民間検査センターに委託するなどして調べる必要があったが、測定項目の追加により1検体当たり17分で結果がわかるという。同社は血液凝固分野に1984年に参入した。独シーメンスと販売契約を結び、現在は世界シェアトップを握る。世界に販路を広げるため、同機種の海外での薬事承認取得を目指す。