窓口一元化、利便性アップ 日本海総合病院、入退院支援センター開設から半年


入院する場合、医師や看護師だけでなく、投薬に関しては薬剤師、食事については管理栄養士、入院手続きは病院事務局など、多くのスタッフから説明を受ける。以前は患者が、それぞれの窓口を回っていた。入院を控え、心理的に不安を抱えている患者の負担を軽減しようと、同病院は先進的な取り組みをしている佐久総合病院(長野県)の事例を学び、今年2月に、病棟1階に同センターを開設した。

 4月末までの延べ利用者は4167人で、月平均では約1690人、1日当たり約80人。その後も利用は着実に増えている。患者はセンター内の専用スペースで一元的に事前面談を受けられ、利便性が向上。病院としても、従来よりも個別の事情や症状などに合わせた対応ができるようになった。

 「入院前から退院を見据えた計画を立てる。入院の長期化は患者にとっても、病院にとっても負担が大きい」と事務局の担当者。院内の各部署のスタッフだけでなく、地域の医療機関や療養施設などとも連携を強化した。早期退院だけでなく、病院を出た後の入所施設の選定などを含め、切れ目のないサポートに向けた調整も同センターが担う。

 同病院は、庄内地方の高度医療の拠点だ。大規模な災害や事故、新型コロナウイルス感染拡大への対応でも地域医療の核となっている。担当者は「緊急性の高い患者や急性期の患者を受け入れる病床を確保しておく必要がある」と話す。地域内の医療機関や療養施設と適切な役割分担をする上でも、同センターの役割は重要となっている。
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