みらか、PCR受託能力を2.5倍の1日4000件へ


臨床検査受託大手のみらかホールディングス(HD)は13日、新型コロナウイルスの感染の有無を病院などから引き受けて調べるPCR検査の能力を、5月中に現状の2.5倍の1日当たり約4000件に増やすと発表した。経済活動の再開に向けた感染者数の適切な把握には、PCR検査の拡大が求められている。能力を引き上げ、増大する検査需要に対応する。同日にオンラインで開催した2020年3月期の決算説明会で竹内成和社長が明らかにした。新型コロナのPCR検査を医療機関から受託している子会社のエスアールエル(東京・新宿)の検査施設に、スイス製薬大手のロシュの自動検査装置を導入。能力を拡大する。国に設備投資費用の補助を申請する方針も明らかにした。足元の検査受託数は「4月時点で1日当たり1000件前後」(竹内社長)という。合わせて、みらかHD子会社の富士レビオ(東京・新宿)が開発した新型コロナウイルス向け抗原検査キットについて、13日に厚生労働省から薬事承認を取得したことも説明した。山口県の工場で週20万検査分の生産を始めている。竹内社長は「現状ではキット数が限られ限定的な配布になる」としたうえで、「より広いエリアで使ってもらえるよう生産に万全を期す」と話した。抗原検査はPCRに比べてウイルスの検出感度が低い課題があり、技術開発を続け早期に感度向上を目指すという。新型コロナの感染の広がりを調べる目的などに使う抗体検査についても、受託に向けた準備を進めているとした。

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