死亡事故の高齢運転手、「認知に問題」は4割のみ


2019年に交通死亡事故を起こした75歳以上の運転者で事故前に認知機能検査を受けていた376人のうち、「認知機能に問題あり」と判定されたのは39.9%にとどまることが30日、警察庁のまとめで分かった。認知機能に問題がなくても運転技能が衰えているケースがあるとみられ、同庁は実際の運転を測る運転技能検査(実車試験)を22年にも導入する。認知機能検査は75歳以上のドライバーを対象に免許更新時などに実施され、「認知症の恐れ(第1分類)」「認知機能低下の恐れ(第2分類)」「低下の恐れなし(第3分類)」に分ける。第1分類の場合は医師の診断が義務付けられ、認知症と診断されれば免許取り消し・停止となる。警察庁によると、19年の死亡事故で過失が最も重い「第1当事者」とされた75歳以上のドライバーは401人で、このうち376人が事前に検査を受けていた。結果は第1分類5人(1.3%)、第2分類145人(38.6%)となり、残る226人(60.1%)の認知機能には問題が見つからなかった。19年の全体の受検者は延べ216万365人。このうち、第1分類は2.4%(約5万2千人)、第2分類は22.8%(約49万3千人)で、74.8%(約161万6千人)が第3分類だった。警察庁は高齢ドライバーの事故対策として、75歳以上で一定の交通違反をした人に免許更新時の実車試験を課す道路交通法の改正案を通常国会に提出している。成立すれば22年をメドに導入する方針。

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