患者やドナーから採取した細胞の数が年々、増えていく中、どう正確に保管し、管理していくかが再生医療などを担う研究者の大きな課題となっている。岐阜大大学院の手塚建一准教授(骨学)らのグループは、こうした膨大な情報を、暗号資産(仮想通貨)などに用いられるデジタル技術「ブロックチェーン」を活用し、正確に管理したり、たどったりできる仕組みを考案。再生医療の現場などでより安心な情報を患者に提供できるようになる。(都沙羅)これまでは、紙やパソコンの表計算ソフトに管理を頼っていた。同大によると、膨大な細胞のデータを管理する過程で担当者が入れ替わるなどうまく引き継がれないケースもあり、管理の在り方が問題となっていた。手塚さんは二〇〇四年から研究用の歯髄細胞バンクを作成。一〇年には京都大とともに歯の親知らずの細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作った。一方で、研究に携わる中で、データの保存に不安があったことから「これでは患者さんに再生医療を信頼してもらえないのでは」と危機感を抱いてきた。…関連キーワード
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