2024年度介護報酬改定の議論を進めている厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会が11月30日と4日に開かれた。介護現場の生産性向上を促すため、特別養護老人ホーム、認知症グループホーム、特定施設などに委員会の設置を義務付け(3年の経過措置あり)、新加算を設ける案を示した。訪問介護と通所介護を組み合わせる「複合型サービス」の24年度の創設は見送り、実証事業で検討を深めるとした。生産性向上の委員会は、ICT(情報通信技術)機器、介護助手の効果的な活用に向けて利用者の安全、職員の負担軽減のための対策を検討する。定期的に開催し、複数の事業所で共同開催することも認める。新加算は、見守り機器、介護記録ソフトなどを一つ以上導入し、厚労省の生産性向上ガイドラインに基づいた業務改善を一定期間行うことなどを要件とする。上位加算として全利用者に見守り機器を導入するなどして、先進的に取り組む場合を評価する。焦点となっていたICT機器などの活用による人員配置基準の緩和は、特定施設に限り、「利用者3人に対して常勤換算で0・9人以上」とすることを認める案を示した。特定施設自ら試行運用を行い、職員の負担軽減などに効果が確認できたデータを自治体に届け出る。ほかに人材の有効活用の観点から、原則、常勤専従の管理者について、業務の指揮命令を確保しておくことなどを要件に、別の事業所の管理者、職員の兼務を認める。基準を超えて配置している職員のテレワークを認め、事業所の重要事項について法人のウェブサイトなどに掲載することを義務付ける(1年の経過措置あり)。また、近年の光熱水費の高騰を受けて、特養入所者などの居住費の基準費用額を引き上げる案も示した。老人保健施設の一部や介護医療院の多床室について室料負担を導入することも提案した。4日の分科会ではこれまでの議論を踏まえた運営基準が了承され、同日夜からパブリックコメントの募集が始まった。The post 介護報酬改定で生産性向上委を義務化 「複合型」創設は見送り(厚労省案) appeared first on 福祉新聞Web.