認知症で行方不明1万7479人 19年、届け出最多 年内の未確認245人


認知症が原因で行方不明になったとして2019年に全国の警察に届け出があったのは1万7479人(前年比552人増)だったことが2日、警察庁の集計で判明した。統計を取り始めた2012年以降、7年連続で最多を更新した。19年中に所在を確認できなかったのは同48人増の245人で、これまで最多だった13年の234人を上回った。認知症の行方不明者の内訳は男性9503人、女性7976人。都道府県別では大阪の2007人が最多で、埼玉1960人▽兵庫1778人▽神奈川1593人▽愛知1468人――と続いた。18年以前の届け出を含めて、19年中に発見されたのは1万7340人だった。このうち、警察や届け出人らが所在を確認したのが1万6775人、死亡していたのが460人、届け出の取り下げなどが105人だった。所在確認の時期は71・7%が届け出当日で、99・4%が1週間以内だった。2年以上かかった人も4人いた。警察は行方不明になった認知症の人を早く捜すため、自治体などとの連携強化を目指している。全地球測位システム(GPS)端末を認知症の人に無償で貸与している自治体があるほか、警察や自治体、事業者らが情報を共有する「SOSネットワークシステム」を通じてタクシーや路線バスの運転手が不明者を発見するケースもあった。【町田徳丈】

関連記事

ページ上部へ戻る