高齢者見守りにQRコード活用 新宮・東牟婁の6市町村


和歌山県新宮・東牟婁の6市町村が7月1日から、認知症などで行方不明になる恐れのある高齢者らの見守りに、QRコードを掲示したシールを活用する。衣服などに張ったシールをスマートフォンなどで読み取ることで、早期に身元の特定につなげる仕組み。新宮市など4市町村は29日、夜間や休日に対応する新宮署と協定を結んだ。認知症の高齢者が増える中で安心して暮らせる地域をつくるため、各市町村などが連携して取り組む「認知症高齢者等見守りQRコード活用事業」。困っている様子の高齢者を見つけた際、衣服や靴などに張り付けたシールをスマートフォンなどで読み取れば、各自治体の担当課や地域包括支援センター、警察署の連絡先が表示され、その番号に電話をしてシールに記載された登録番号を伝えれば身元がすぐに分かるという仕組み。平日の日中は各自治体の担当課や地域包括支援センター、夜間と休日は警察署が連絡先になる。シールは、各市町村の担当課や地域包括支援センターの窓口で10枚を無料配布。申請の際に、対象者本人の身長や体格など身体的な特徴と緊急時の連絡先、写真などを登録してもらう。協定の調印式が新宮署であり、小畑博昭署長が「県の高齢化率は全国で9位、近畿では1位。徘徊(はいかい)や行方不明の事案は高齢化で増加するものとみられ、なお一層、自治体との連携を強め、認知症や家族の方々を地域全体で支援していきたい」とあいさつ。市町村長を代表して、田岡実千年新宮市長が「市外、県外まで徘徊される方も少なくない。この事業を新宮署の協力で実施できることになり、徘徊高齢者らの早期発見や安全確保、家族の安心につながると考えている」と話した。

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