遺伝子検査 提供企業に根拠論文開示を要求 経産省、今年度中に指針策定へ


経済産業省は生活習慣病などのリスクを調べたり、婚活サービスの一環として相性の良い相手を分析したりする遺伝子検査サービスを提供する事業者に対し、科学的根拠とする学術論文を開示するよう求めるガイダンス(指針)を今年度中に策定する方針を固めた。遺伝子検査サービスはインターネットで簡単に業者とやり取りできるものが多いが、医療関係者らの間には根拠を疑問視する意見があり、一定のルール作りが必要と判断した。検査の透明化を図ることで消費者保護につなげる狙いがある。指針は遺伝子サービスの信頼性確保に向けた初めての本格的施策となるが、従わない事業者に対する罰則はなく実効性が課題となる。遺伝子検査は、米俳優のアンジェリーナ・ジョリーさんが予防的に乳房を切除して話題になった「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」(HBOC)を診断する医療行為だけでなく、病気のなりやすさを調べたり、自分のルーツや性格、能力などを分析したりするレクリエーション(娯楽)的サービスなどにも広がっている。このため、指針は検査がもたらす結果の重要性に応じて検査を5段階にレベル分けし、非医療行為である遺伝子検査サービスについては根拠論文の開示を求める方針だ。【田中裕之、遠藤大志、山田奈緒】

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