健診・電子レシートのデータ連携で病気予防 東芝本社で新年度に実証実験


東芝の東京・浜松町と川崎の両本社で新年度、会社の健康診断と社食で食事をした電子レシートのデータを連携し、効果的な病気予防の情報を提供するデジタルヘルス新事業の実証実験が実施されることが14日、分かった。子会社の東芝データが展開するPOS(販売時点情報管理)レジの電子レシートサービスを活用。将来的に社外の飲食店などの購買データも反映させる。東芝データは実証実験を踏まえ、一般企業向けサービスを始める方針だ。電子レシートは、利用者があらかじめ登録しておくと、紙で渡されていたレシートのデータがスマートフォンに届く仕組み。自動的に家計簿に記録したり、手軽にキャンペーンに応募したりできる。東芝データのサービスは全国約1400店舗で利用されており、会員は30万人を超えている。一方、親会社の東芝は令和2年7月から、健診データを人工知能(AI)で分析し、6年先までの生活習慣病発症リスクを予測するサービスを開始。3年度前半には、発症リスクを踏まえ、生活習慣の改善を具体的に提案するサービスも始める。さらに日々の飲食データを活用できれば予測の精度が高まることから、東芝データの持つ電子レシートの食生活関連データと連携し、詳細にリスク分析することになった。実証実験の対象者は東芝2本社に勤務するグループ社員約1万2000人。第1段階では、社食で電子レシートを利用すると、過去の食生活を振り返れるほか、データに基づき個人に合った栄養バランスのよいメニューや野菜不足を補う一品を推奨するクーポンを発行する。第2段階になると、2本社以外の事業所の社員も加わり、社外のスーパーや飲食店などの購買データ、ウェアラブル機器から取得する体温・血圧といった身体データとも連携した上で、希望者に対して、きめ細やかな病気予防のアドバイスを行う予定だ。東芝データは実証実験後、一般企業や健康保険組合を対象に、電子レシートを活用した社員の健康管理サービスの事業化を進めていくという。

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