【変わりゆく医薬品情報提供~これからのMRのあり方】Dr.JOY


石松氏医療関連業務の支援サービスを手がけるドクタージョイは、病院と病院業務に携わる製薬企業・薬局との連携を支援するソリューションを展開している。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、MRの訪問が制限されていることから、アポイントの調整やウェブ面談、面会記録や評価を一元的に行えるサービスへのニーズが高まり、これまで導入していなかった病院からの引き合いも増加しているという。石松宏章社長は、「病院と企業の距離が遠くなり、患者さんにとっては不利益な状況になっている。このサービスでシームレスにデジタルと現場をつないでいきたい」と述べ、さらなる利用拡大に意欲を示した。2015年に提供を開始した同ソリューションは現在、全国約3200施設の医療機関や調剤薬局で導入されているほか、5万3000人ほどのMRが登録しているという。面会調整をはじめ、勤怠管理や薬剤検索、eラーニングにおける活用のほか、病院と薬局間での薬薬連携や地域連携に活用することができる。医師とMR間での従来の利用方法は、導入した病院側から企業に対して企業向けソリューション「ピーアールジョイ」への登録を促すお知らせを通知。各MRがアカウント登録して、病院固有のキーコードを入力することでサービスを利用していた。今ではMR登録数の増加から新サービスとして、リストアップされているMRを医師が選択するだけで簡便に登録することができるようになっている。利用しているMRからは「ドクタージョイがあったから面会ができた」という声も上がっているという。病院への訪問が限られている中で、ウェブ面談を受け入れている医療機関が約20施設から200施設以上へと拡大し、利用数も増加している。石松氏は増加の要因について、医師やMRがお互いの連絡先を知らなくても連絡を取り合えることを挙げる。訪問できないことで医師への電話やメールが急増。「医師から見た1通のメールに対する価値が下がり、医師も連絡先を積極的には教えたくない」(石松氏)ことから、ソリューションの中で簡易的に連絡を取り合うことができるという両者のニーズの解消につながっている。一方、医師が特定のMRと面談を希望する際には、画面上に一覧で表示されるMRや企業の中から、地域や採用薬、専門領域、各種評価項目などから絞り込みを行うこともできる。例えば、オンコロジー領域についてMRから情報を得たい時には、担当の中から高評価を受けている人材を絞り込むことで、エリアの制限を超えて連絡を取ることができる。評価項目は、「問い合わせの素早さ」「回答の的確さ」「患者を中心とした情報提供」などで、各MRに対する評価の合算値が所属する企業の評価に直結する。企業にとっても自社の中で評価の高いMRの活動を分析することでMR全体の強化に活用できるため、同社では引き合いのある企業との連携に向けて話し合いを進めている。今後については、ソリューションを通じて各製薬企業の医薬品情報サイトへシームレスにアクセスできるサービス展開を目指す。これまで医療関係者が企業の医薬品情報サイトにアクセスする際に、企業ごとのアカウントを作成しなければならず、煩雑だった。石松氏は「一つのアカウントで、各企業のサイトへ送客できるゲートウェイとなるようなサイト連携をしていきたい」と強調。年内までに賛同企業20社を目標に連携して、サービスを拡大していきたい考えを示した。Dr.JOY
https://www.drjoy.jp/

関連記事

ページ上部へ戻る