渋谷工業と山口大、骨髄細胞使う肝臓再生の臨床試験


渋谷工業と山口大学は患者の骨髄細胞を使って肝臓を再生する治療法の臨床試験(治験)を始めた。患者の骨髄液から採取した骨髄細胞を培養して体内に投与し、肝硬変を治療する。早ければ2021年度中に再生医療に活用できる「再生医療等製品」の承認を得る。山口大学医学部付属病院で患者の骨髄液を採取し、渋谷工業の無菌操作が可能な自動培養システムで骨髄細胞を育てる。その後、患者の肝動脈に投与して肝臓に到達させる。肝性脳症や腹水などの重篤な症状がある患者を対象とする。患者自身の細胞を使うため、免疫拒絶や副作用を抑えられる。細胞を効率的に培養するため骨髄液が少量で済み、患者の負担も小さくなる。肝硬変の治療に用いられる肝移植は、日本ではドナー不足で実施数が少ないことが課題になっているという。

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