厚労省 薬の供給網を把握へ、欠品対策で骨子案


厚生労働省は欠品すると特に影響が大きい医薬品を選び、サプライチェーン(供給網)の把握に乗り出す。31日に開いた有識者検討会で対策の骨子案を示した。新型コロナウイルス感染症の影響でリスクが高まっており、海外からの原材料の調達ルートを多様化するといった対策を促す。骨子案では重篤な疾患向けだが代替薬がないといった薬を「安定確保医薬品」と位置づけるとした。年度末までに選定作業を進める。特に優先順位の高い薬について製薬会社から協力を得て供給網を把握する。欠品を防ぐ対策の例として、薬の有効成分となる原薬の在庫積み増しや調達ルートの複数化などを挙げた。欠品の恐れが生じた場合に製薬会社に報告を求めるルールも設ける。安定確保医薬品以外の薬も対象にする。実際に供給が困難になった場合に備え、代替薬も含め迅速に医療現場に提供する仕組みを製薬会社が準備しておくことも盛り込んだ。2019年には抗菌薬の供給が止まり、一部の病院で手術を延期するといった事態が起きた。海外から原薬などの調達ができなくなったことが原因だった。新型コロナの感染拡大後にも、インド政府が一時的に原薬の輸出を制限する措置を取るなど、サプライチェーンに影響が及ぶ事態が発生している。

関連記事

ページ上部へ戻る