日タイ間でオンライン治験 がんセンターが合意、世界初か


【バンコク時事】日本の国立がん研究センターとタイ保健省医療サービス局は14日、2国間でオンラインによる治験を実施することで合意し、覚書を締結した。同センターによると、国境を越えた治験がオンラインで実施されれば世界初とみられる。オンライン治験では、同センターとタイの病院が連携。タイ在住の患者は同国の病院で薬を処方され、血液検査などを受ける。同センターの医師はタイの医師の監督下で診療を行い、治験継続の判断や薬の有効性の評価などを行う。従来は、各国の法律に基づく医師免許の関係で、日本の医師が海外の患者を診療することは原則できなかった。覚書では、同センターの腫瘍内科医にタイの臨時の医師免許が発行されることが盛り込まれ、オンラインでの治験を可能にした。日本にとっては、少子高齢化で人口が減る中、国内で患者を確保することが難しい治験を実施できるメリットがある。タイ側も、患者がより多くの治験に参加可能となることを期待している。同センター中央病院の島田和明病院長は「タイとの間で実績を積み重ね、他のアジアの国にも広げたい」と話した。

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