<休校どう過ごす>しっかり手洗い 清潔に/かわむらこどもクリニック(仙台市)院長 川村和久氏


新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、全国の小中学校などが異例の臨時休校になって2週間が過ぎた。外出を控え、自宅や学童保育で過ごすよう迫られた子どもたち。突然の長期休みをどう過ごせばいいのか。注意すべき点は何か。感染予防、学習支援、心のケアの観点でそれぞれの専門家に聞いた。(聞き手は報道部・田柳暁) −感染予防で大切なことはありますか。 「手洗いと周囲を清潔に保つことが重要。インフルエンザなど通常の感染症予防と同じでいい。手洗いはせっけんを使い、指の間や手の甲までしっかりと洗う。タイミングは帰宅時や食事前。外出先でせっけんがなければ、水で丁寧に洗い流す。水道がなければアルコール消毒で代用する」 「ドアノブやテーブルの上など人がよく触る場所は小まめに拭き取る。(低学年を預かる)小学校や学童保育では文房具の共有を避けてほしい。みんなで使うおもちゃも清潔にした方がいい。マスクは感染時に他人に移さないために必要。マスク不足の現状を考えると、家族全員の体調が良好であれば、家の中でマスクを着ける必要はない」 −インターネットで独自に保護者対象のアンケートを実施しました。 「臨時休校の影響で保護者が一番心配しているのが、子どもの生活習慣の乱れだった。まずは生活が不規則にならないように注意し『火や刃物は使わない』『1日何時間は勉強する』など約束事を決めることが大事だろう。臨時休校で友達と関わることが少なくなった。屋外で一緒に遊ぶことも大切にした方がいい」 −立ち寄らない方がいい場所はありますか。 「集団感染を防止するため(1)近距離の会話(2)換気の悪い密室(3)大人数の密集−は避けなくてはならない。カラオケに行ったり、友達の部屋に大勢で集まったりするのはやめた方がいい。公園でサッカーをするのは心配いらない。商業施設に家族と買い物に出掛けるのも構わないが、混雑する時間帯を避けるなどの工夫は必要だろう」 −国は「風邪症状、37.5度以上の発熱4日以上」を医療機関への相談・受診の目安としています。 「子どもの場合は慌てて受診せず、まずは電話で医療機関に相談してほしい。中国のデータでは子どもの感染者は少なく、重症化したケースも少ない。せきや鼻水の症状があっても元気に遊んでいたり、食欲があったりすれば家庭で様子を見てほしい。ただ、苦しそうであれば、かかりつけ医師に連絡してほしい」 −「27度のお湯を飲むのが感染予防」など誤った情報が飛び交っています。 「それが事実なら人の体温でウイルスが死滅するはず。誤情報は東日本大震災の直後も流布された。人は不安に踊らされる。正しい情報かどうか、よく考えてほしい。かかりつけ医など普段から信頼を置く人の情報を選ぶことも大切だ」

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