難病潰瘍性大腸炎の「抗体」を発見 京都大、新たな診断手法を検討


大腸の粘膜に炎症が起きる難病「潰瘍性大腸炎(UC)」で、患者自身の腸粘膜のタンパク質を攻撃するとみられる「抗体」を見つけたと、京都大のグループが9日発表した。新たな診断マーカーとなる可能性があるという。米科学誌にこのほど掲載された。UCは若年層を中心に発症する原因不明の難病で、国内には約20万人の患者がいる。腸粘膜に慢性的な潰瘍などの炎症がみられ、根本的な治療薬はない。また診断が難しいケースがあることが課題となっている。医学研究科の桒田(くわだ)威医師や塩川雅広助教らは、UCの患者の血中にあるさまざまな抗体が攻撃するタンパク質を探索。その結果、UCの患者の抗体のうち、腸粘膜細胞にある「インテグリンαVβ6」というタンパク質を攻撃するタイプを発見した。またこの抗体と病気の症状の強さでも関連が認められたという。桒田医師は「新たな診断手法への応用を検討したい。いずれ治療法にも活用できればと思う」と話した。

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