AIとiPS細胞技術でALSの診断をサポート 京大iPS研が手法開発


人工知能(AI)とiPS細胞(人工多能性幹細胞)の技術で、全身の筋力が低下する難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の診断をサポートする手法を開発したと、京都大iPS細胞研究所のグループが22日発表した。速やかなALS診断に結び付く可能性があるという。米科学誌アナルズ・オブ・ニューロロジーに掲載された。ALSは運動神経が消失し筋力が低下する。国内の患者は約9千人だが治療法は確立していない。一方で、発症から診断が確定するまでに日本では平均13.1カ月という報告があり、速やかな診断が課題となっているという。同研究所の井上治久教授らのグループは、健常者とALSの患者15人ずつからiPS細胞を作製、運動神経に変化させた。これらの運動神経の画像をAIの深層学習の手法で解析。その結果、97%という高い精度でALS患者のiPS細胞からできた神経かどうかを見分けられた。ただ現状の深層学習の性質上、AIが神経細胞を判別した詳細な根拠は不明という。井上教授は「さらに多くの患者から作った運動細胞を用いるなどして、診断モデルの確立を目指したい」と話す。

関連記事

ページ上部へ戻る