県「医師バンク」はじまる 医師不足解消めざす


静岡県は1月28日、県内で働きたい医師に職場を紹介する「医師バンク」事業を始めた。医師と医療機関をマッチングし、県内の医師不足や医療の地域格差を解消する狙いがある。定年退職や出産などで現場を離れた医師の再就職や、県外から移住を考える医師の利用を想定する。ホームページにメールアドレスを登録すると、医療機関の求人情報や再就職の支援情報が配信されるという。求人は病院だけでなく、産業医や開業医の募集なども掲載される。ホームページは県が委託して県医師会が運営。登録料や仲介手数料はかからない。同様の医師向け求人情報は民間サービスが充実しているが、成約時に医療機関側が払う仲介手数料が高額なことが課題だった。県は医師の受け入れを増やすことで医療体制の弱体化や後継者不足による診療所の閉鎖を防ぎたい考えだ。しかし、全国規模で豊富な求人情報がある民間サービスと比べ、静岡県内限定の県営サイトは職を探す医師側へのメリットを示しにくいという懸念もあった。同様のサービスを運営する他の都道府県では、知名度不足により医師の登録が増えない事例もあったという。これに対して県医師バンクでは、県内の医療に関する話題や医療関係者からのメッセージ、シンポジウムの案内など求人以外の情報も発信。さらに、医療関係者が求職者と面談して職場とのミスマッチを防ぐなど、きめ細かく対応していく考えだ。(矢吹孝文)

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