◇金沢、白山、野々市、かほく、津幡、内灘 行方不明となった認知症患者を、IoT(モノのインターネット)を活用して捜す金沢市の「認知症高齢者地域見守りネットワーク」について、市は来年度、運用エリアを石川中央都市圏(金沢、白山、野々市、かほく各市と津幡、内灘両町)に拡大する。六市町は共同運用を検討しており、圏内一体となった認知症患者の見守り体制の構築を目指す。山野之義市長が十一日の市議会十二月定例月議会一般質問で明らかにした。八月の石川中央都市圏首長会議で提案し、五市町側に「前向きに検討してもらっている」という。見守りネットワークでは、認知症の人に無線通信の機能を備えたタグを着用してもらう。街中に設置した感知器や、スマートフォンに専用アプリをダウンロードした人に近づくと位置情報が記録され、家族に居場所を伝える仕組み。昨年二月に運用が始まり、タグを利用する市内の認知症患者は二十一人。アプリをダウンロードした人は七百人で、設置済みの感知器は百五十基に上る。見守りネットワークで発見に至った事例はこれまでに四件あったという。山野市長は取材に「認知症の方が『自分は金沢市民だから隣の市町に行かない』などということはない。六市町で協力して運用していきたい」と期待を語った。(小佐野慧太)関連キーワード
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