リハビリの経過観察にも活用 七尾市富岡町の恵寿総合病院は、体に装着し歩くだけで歩行に問題がないか測定できる器具を使い、足の筋力低下防止やリハビリのための効果的運動につなげる分析システム「AYUMIEYE(アユミアイ)」を本格導入した。昨秋から活用しているが、保険適用となり、九月から入院治療や退院後のリハビリなど治療現場で使っている。(室木泰彦)システムは早稲田エルダリーヘルス事業団(東京都)が人工知能(AI)を活用し開発。七十五歳以上を対象に筋力が衰える「フレイル」状態でないか調べる健康診断が本年度始まったこともあり、病院などを運営するグループは昨秋から試行的に活用している。幅五センチほどの器具をベルトで腰に固定し六〜十メートルほど歩くと、スマートフォンやパソコン画面に歩行速度や歩幅、バランス、リズム、総合評価などが百点満点で表示。歩行データを瞬時に解析し、筋力の衰えを予防する効果的な体操などを開発し健康寿命延伸を図る「Foot活(ふっかつ)プロジェクト」として事業者、研究者らと連携する。病院でも使用の結果、ゆっくり歩いた時は問題ない高齢者も、早く歩いた際にリズムが七十四点と崩れる課題などが判明。改善するリハビリや運動プログラムについて、同市でフィットネス事業を行うノトアフィットネスクラブなどの助言を得て考案。対象者に最適な方法を選べるという。今後は、脳梗塞などの入院患者は歩行などリハビリが可能になった時点から、また退院する人も退院時から、いずれも一カ月に一回計測し経過観察。異常があれば改善策を考える。回復期リハビリテーション病棟の担当者は「本格的な使用はこれから。データが蓄積されるほど分析結果を有効に活用できるようになる」と話した。関連キーワード
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