神戸医療産業都市に新研究開発拠点 ノーベル賞・本庶氏も“入居”へ


神戸市は8日、神戸医療産業都市の新研究開発拠点「クリエイティブラボ神戸」(CLIK)が、神戸・ポートアイランドに完成したと発表した。ゲノム編集など生命科学分野の新興企業や大手メーカーなど8社・団体が入居する。医療関連の新技術やサービス開発で連携する「オープンイノベーション」に期待する。さらに、ノーベル医学生理学賞を2018年に受賞した本庶佑氏が研究開発を主導する「次世代医療開発センター」も来春、CLIK内に入る。この日の会見で、久元喜造市長は「人々の命や健康に貢献したいという、本庶さんの思いを形にするような研究を進めてほしい」と述べた。神戸医療産業都市は構想から20年以上を経て、約370の企業や研究機関が進出。生物や試薬を用いた実験ができるよう、水回りや空調機能が整った「ウエットラボ」と呼ばれる施設の需要が高い。既存施設の入居率が90%を超え、新拠点を整備した。CLIKは6階建て延べ約1万2千平方メートル。個室は107室あり、35~100平方メートル。創業前後のスタートアップ向け共用オフィスもあり、賃料・利用料の半額を補助する。カフェを併設した交流スペースも設けた。すでに、ゲノム編集を行う神戸大発ベンチャー「バイオパレット」などが入った。各社が複数の部屋を使うため、入居率は6割を超えた。本庶氏の開発センターは、神戸医療産業都市推進機構(旧・先端医療振興財団)の発足20周年記念として、兵庫県などとともに整備する。CLIKの最上階に入る。本庶氏は現在、同機構の理事長を務めており、自身の研究テーマである免疫のほか、アルツハイマー病などの研究チームを集約する。入居企業との連携も視野に入れ、共用の機器室を用意。研究支援の「本庶記念基金」を創設し、11月から広く寄付を募る。CLIKへの入居希望は、引き続き受け付ける。市医療産業都市部誘致課TEL078・322・6341(横田良平)

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