福山市民病院(蔵王町)で今月から24時間365日、入院や手術が必要な重症の小児救急患者の受け入れが始まった。府中市、広島県神石高原町を含む3市町の2次保健医療圏では唯一で、来春の「小児救急医療拠点病院」の指定に向けた取り組み。夜間や休日の受け入れのため圏域内で続いていた複数の病院による輪番制も解消され、受け入れ先が同病院に一本化された。同医療圏では、夜間と休日に小児の重症患者を受け入れるため2002年度から輪番制を導入。09年度以降は福山市民病院と福山医療センター、中国中央病院、日本鋼管福山病院の計4病院で受け入れてきた。今年4月からは福山市民病院と日本鋼管福山病院の2カ所に集約していた。輪番時の救急患者の受診者数は12年度以降、2400〜3100人台でおおむね横ばいで推移している。福山市民病院はこうした需要を見据え、医療の高度化や安定したサービスの提供に向けた小児救急医療拠点病院の指定を目指すため、指定要件となる24時間365日の受け入れへ体制づくりを進めてきた。18年4月、西館4階に小児専用病棟を設け、入院患者向けの病床を10床から26床に拡充。岡山大からの派遣で今年4月に小児科医師が6人から8人に増え、今月さらに1人が加わり、計9人体制になった。輪番制だった10〜12年度は医師不足から圏域内で受け入れができない日が生じ、11年度は年70日に上った。福山市民病院の岡本武病院総務課長は「一つの病院が責任を持って受け入れることで地域の安心感は高まる。病院側も専門性を磨くことになる」とする。同病院が小児救急医療拠点病院に県から指定されれば県内で4カ所目、県東部ではJA尾道総合病院(尾道市)に次いで2カ所目となる。(門戸隆彦)関連記事】