災害時の分娩(ぶんべん)支援に関する研修会が28日、御前崎市役所で行われた。市の保健師13人が参加し、混乱の中で生まれる新しい命をどう守るかを学んだ。
講師は同市白羽で助産院を営む野口智美さん。日本では全ての出産の99%以上が病院などの施設内で行われているが、市内には出産が可能な病院がなく、災害時に道路が寸断されれば市外の施設を頼ることもできなくなる恐れがある。2011年の東日本大震災では救護所の保健師が陣痛が来た妊婦への対応を求められた事例もあり、万が一に備えて知識を身に付けてほしいと野口さんが研修会を提案した。
参加者は野口さんら掛川助産師会のメンバーの手ほどきを受け、人形を使って赤ちゃんを取り上げる方法を実践した。保健師の荒浪聡子さん(35)は「やってみてイメージは湧いたが、一人でやろうとせず周囲に協力を求めることも大事だと思った」と話した。
新生児蘇生法の説明もあり、市立御前崎総合病院小児科の深沢宙丸医師が要点を指導した。