がん予防への正しい知識を県民に伝える「がん征圧県民のつどい」(県健康づくり財団主催)が19日、佐賀市水ケ江の佐賀メディカルセンターで開かれた。佐賀大医学部の木村晋也教授が、がん検診の重要性などを呼び掛けた。木村教授は、日本人の2人に1人ががんのリスクがあるとするデータを紹介して「万が一ではなく、『2分の1』の確率だと思ってもらいたい」と訴えた。さらに遺伝よりも、たばこや暴食などの生活習慣によって発病する可能性が高いとして「生活習慣の改善が一番だが、簡単にはいかないので検診が大切」と強調した。がん免疫治療薬「オプジーボ」といった最新の免疫療法について、現段階では効果が一部にしか見られないことや副作用などの課題があると説明した。その上で「免疫を利用して、がんを完全に治す時代は数年後に来るだろう」と今後の研究への期待も示した。そのほか、佐賀さいこう表彰(がん対策部門)の授与式もあり、患者や家族への支援などに尽力する国立病院機構佐賀病院の乳がん患者会「コスモスの会」代表の草場真智子さん=佐賀市=ら4団体・個人に山口祥義知事から表彰状が贈られた。(中島佑子)