食物アレルギーを持つ子供への対応を強化した学校給食センターが、渋川市と沼田市に完成した。20日に開所式が行われた渋川市の東部学校給食共同調理場(赤城町三原田)は、食品表示法で表示が義務づけられている特定原材料の7品目(卵、乳成分、小麦、そば、落花生、エビ、カニ)を使った食材を取り除いたうえで、通常の給食に近いメニューを提供する。通常食の調理場とは完全に隔てたスペースで作る。市によると、食物アレルギーを持つ子供は市内に400人ほどいるといい、それぞれの家庭から弁当を持参しているという。調理場は延べ1831平方メートルで、総工費は約17億円。市内の小中学校32校のうち、24日から赤城、北橘両地区の7校に約1300食分を届ける。アレルギー対応食の提供開始は来年。高木勉市長は「いずれは市内全域に広げたい」と話している。沼田市も20日、約19億円をかけた新たな学校給食センター(利根町大原)の開所式を行った。25日から小中20校と県立沼田特別支援学校向けに約4000食の調理を始める。市内に3か所あったセンターを集約した施設は延べ2835平方メートル。新たな炊飯器を導入し、精米も施設内でできるようにしたのが大きな特徴だが、ここも専用調理室を設け、多くの食物アレルギーに対応した代替食を提供できるようにした。県教育委員会などによると、卵や乳成分など、一部の特定原材料を除去したアレルギー対応の調理施設は、富岡市の学校給食センターにもあり、藤岡市も9月の給食から提供を始める予定という。ただ、複数の食物アレルギーを抱える子供への複雑な対応や、取り違え事故のリスクもあるため、給食センターではアレルギー対応をしない自治体も少なくないという。