沖縄の野草に神経難病の抑制効果 宮古島の研究所と日本大学が特許


武蔵野免疫研究所(宮古島市、吉田八束代表)と日本大学は7月30日、那覇市の沖縄産業支援センターで会見し、亜熱帯に自生する野草「ビデンス・ピローサ(BP、和名タチアワユキセンダングサ)」から抽出した成分を使い、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含む神経変性疾患の治療薬の特許を取得したと発表した。日大のマウスによる実験で、BPの成分からALSを進行させる細胞の増加を抑える作用が確認されたことから、将来医薬品を製造する際に大手製薬会社が同様の薬をつくることがないよう知的財産として保護することにした。日大薬学部の小菅康弘准教授は「現時点ではBPのどの成分に効果があるのか不明なので研究を続ける必要がある。医学部の協力を得た上で臨床試験もしていきたい」と述べた。ALS患者への効果が認められれば、医薬品としての承認を目指していく。実験では、ALSを発症したマウスを2つのグループに分けて、一方にBP成分、もう一方には水を与えて平均生存日数を比べた。BP成分を与えたグループは13・5日長生きした。また、ALS治療の承認薬とも平均生存日数を比べたところ、BPエキスは13・5日で、承認薬リルゾールの3・0日、エダラボンの2・2日を上回った。

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