看護師を教諭に、教員免許の有無問わず 医療的ケアの必要性増し、2021年度に採用 京都市教委


胃や鼻からチューブで流動食などを送り込む経管栄養やたん吸引など医療的ケアを必要とする児童生徒が増える中、京都市教育委員会は2021年度に看護師を教諭として採用する。地域制の総合支援学校に配属し、医療的ケアを通じたコミュニケーション能力の育成指導などに当たる。教員免許がなくても受験でき、全国的に珍しい取り組みという。市教委によると、医療技術の進歩に伴い障害が重度で複数あっても通学できるケースが増えている。市立学校の場合、地域制の総合支援学校4校で行われる医療的ケアの件数は19年度で297件と、09年度の3倍近くに増加。ケアを受ける子どもたちの生活力を育む教育が以前より求められているという。採用された教諭は地域制の総合支援学校で、児童生徒がたんの吸引をしてほしい時に視線で伝えられるよう指導するなど、自立や社会参加の力を付ける「自立活動」という教育分野を担当する。指導計画の作成・評価や保護者からの相談対応のほか、医療的ケアが必要な児童らの在籍が増えている地域の小中学校での巡回相談もする。総合支援学校にはこれまでも看護師が配置されていたが、市教委の担当者は「医療的ケアを受ける子どもを職種の垣根を払って教育することが重要になっている。医療と連携した組織づくりを強化し、よりきめ細やかな指導につなげたい」と話す。対象は採用日に55歳未満で、重度心身障害児の臨床経験が3年以上ある看護師。教員免許がなくても、合格者には外部人材を教育現場に起用する「特別免許状」を付与する。採用は若干名で、試験は9月に下京区の総合教育センターで実施し論文と面接試験がある。募集要項は市教委ホームページに掲載されている。

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