大阪府や大阪大、経済界などでつくる「未来医療推進機構」は12日、大阪市北区中之島エリアに整備していた再生医療などの産業集積を目指す拠点「Nakanoshima Qross」(中之島クロス)の内部を報道陣に公開した。29日にグランドオープンする。中之島クロスは地上16階の高層棟と同11階の低層棟で構成され、再生医療を中心とした医療開発やロボティックス、人工知能(AI)などの先端技術が集まる「未来医療R&Dセンター」と、循環器病院や高度健診センターなど最先端の治療を担う「未来医療MEDセンター」がそれぞれ入居する。この日は、入居する企業のオフィスや整形外科医院などを公開。R&Dセンターは、間取りや実験設備を賃貸で整えるといった工夫を凝らすことで大手から中小のベンチャー企業まで入居でき、再生医療に関わる研究やそれを支える技術の集積とビジネス創出を狙う。また、R&Dセンターで生まれた医療技術をMEDセンターの各クリニックで実践することで、早期の社会実装も視野に入れる。京都大iPS細胞研究財団(京都市)も参画しており、iPS細胞の製造施設も構える。同機構の澤芳樹理事長は記者会見で「構想から7年経過した。一つ屋根の下で皆が顔を合わせることで『化学反応』が起こり、今までになかった産業が生まれると考えている」と期待を込めた。【露木陽介】