九大で小児心臓移植 子の重症心不全一貫治療可能に


 九州で初めて子どもの心臓移植が可能な施設に認定された九州大病院(福岡市)は18日、ウェブ上で記者会見を開き、認定の意義や抱負を語った。11歳未満の子どもの心臓移植ができる施設は東京や大阪の医療機関に続き国内で6施設目。今までは遠方への転院が必要で患者の負担が大きかったが、九州での移植が可能となった。

 移植関係学会合同委員会による認定は5月26日付。心臓血管外科や小児科のチームワークの良さ、手術前後の管理や心のケアを担う体制などが評価されたという。

 同院は心臓移植を待つ間の橋渡し役として使われる「小児用補助人工心臓」の実施施設でもあり、重症心不全の子どもの治療に一貫して取り組めるようになる。同院の塩瀬明ハートセンター長は「患者や家族の経済的・精神的負担が軽くなる。九州だけでなく四国や中国地方の患者の移植にも取り組みたい」と語った。

 日本臓器移植ネットワークによると、心臓の移植を希望して登録している15歳未満は53人(5月末時点)。一方で、国内の臓器提供は少なく、小児心臓移植の実施は増加傾向とはいえ年に数人前後だ。海外に行く例もある。 (斉藤幸奈)

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