「電子処方箋」酒田で先行 日本海総合病院、来月末からモデル事業


厚生労働省は酒田市の日本海総合病院で、来年1月に全国で運用が可能となる「電子処方箋」のモデル事業を来月末から開始する。実施を控え、来月2日には住民説明会を同病院で開催。これまで紙で発行していた処方箋を電子化する医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環で、重複投薬などを防ぎ、効率化も期待される。同病院によると、医師が薬剤を患者に投与する場合、現在は紙の処方箋を発行することが定められている。患者は調剤薬局などで示し、薬剤師が確認をして処方している。従来は投薬履歴などが患者ごとに不明確なケースもあり、医師は同じ効能の薬を重複して処方箋に記載することもあった。こうした場合、薬剤師は医師に確認し、必要のない薬剤を除くなどしてきた。電子処方箋は、法改正などで来年1月から実施が可能になる取り組み。全国的なサーバーで情報を集約・管理し、医師はオンライン上で処方箋を作成。自動的に効果が同じ薬など、確認が必要な事項を抽出し、作成医師に確認を求める仕組みで、従来、薬剤師が行っていた確認作業が自動化される。医師だけでなく、患者も投薬履歴を確認できる。安全性も高まり、作業効率化で薬剤師は、より丁寧な服薬指導が可能になる。患者は紙か電子処方箋のいずれかを選択できる。酒田地域の他▽福島県須賀川▽千葉県旭▽広島県安佐―の3地域でモデル事業として先行実施。酒田地域では、地域医療連携推進法人・日本海ヘルスケアネットによる医薬連携が進んでいることもあり、これまでの取り組みも加味されて選ばれた。同地域では同病院など4病院・クリニックと17の薬局が参加し、来月末から順次実施する。【メモ】フォーラム開催へ来月2日午後2時から日本海総合病院を主会場に、オンラインも交えた医療関係者向けの電子処方箋モデル事業フォーラムを開催する。その後、住民説明会を開く予定。>>山形新聞トップ >>県内ニュース >> 政治・行政

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