ストレス診断、オンラインで手軽に 山形大拠点ベンチャー、脈波や表情など加味


同大工学部で開かれた記者懇談会で発表した。開発した企業は「Yume(ユメ) Cloud(クラウド) Japan(ジャパン)」(吉田大輔社長)。山形大、東北大、東北芸術工科大などと連携し、共同開発した。来年1月からの通常運用を目指しており、将来的には日本と米国の市場で、オンラインユーザー18万人、スマートフォンのアプリユーザー450万人の獲得を目指している。

 IT技術の普及で、コミュニケーションが簡便化する一方、実際に顔を合わせて意思疎通する機会が減るなど環境の変化で精神を病む人が増えていることが世界的に問題となっている。最近では新型コロナウイルスに絡み、在宅ワークが一般的になっているが、仕事とプライベートの切り替えがうまくいかないなどを起因とする「コロナ鬱(うつ)」が深刻化しつつあり、高ストレスになっている人は多い。

センサーに指を置き脈波を測定する端末

 各企業でストレスチェックする動きは進んでいるが、普及している記述式の自己申告では「よく見せよう」などとの意識が働き、正確性に課題を残している。同社は脈波、声、表情の3要素と問診で得られたデータをコンピューターで複合的に診断することで精度を上げ、オンライン化で、「効率化を実現する」と強調する。

 具体的な使い方としては、専用のセンサーに指を乗せて脈波を測定。パソコンやスマホのカメラ、マイクで表情、声のデータを集め、インターネットを通じて専用サーバーに送信し、診断する流れとなっている。吉田社長は「情報機器の進歩で効率化が図られている一方で、メンタルの問題は増えている。メンタルケアの環境、効率化も併せて進めていくことが必要」と語った。

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