オリンパスは1日、世界シェア約7割を占める消化器内視鏡システムを8年ぶりに刷新すると発表した。独自技術を搭載した新製品「EVIS X1(イーヴィス エックスワン)」を導入、検査時間短縮と診断精度向上につなげる。新製品の本体となるビデオシステムセンターを白河オリンパス(西郷村)、上部消化管汎用(はんよう)ビデオスコープを会津オリンパス(会津若松市)で製造。本県発の技術が世界に広がるシステムを支える。1日にオンライン製品発表会を開いた同社によると、新製品は内視鏡による診断・治療の可能性を大きく広げる同社最上位機種。遠近両方に焦点が合った画像を合成することで焦点範囲の広い画像が得られるほか、構造、色調、明るさの三つの要素を最適化できる。ポリープなど病変部の形や色を画面上で強調することで診断精度を向上させた。画像は格段に鮮明で明るくなり、従来機との互換性もある。同社はAI(人工知能)を取り入れた次世代技術も開発中で、AIを活用した病変検出などの実現を目指す。同システムは既に欧州など海外で販売されている。国内では、5年以上経過した内視鏡の機器更新のタイミングに合わせて売り込みをかける。国内販売は3日から。内視鏡は先端にカメラが付いたチューブ状のスコープで、医師が口や鼻から挿入し、がんなどの有無を映像で確認する。早期発見・診断はがん予防に重要で、消化器内部の色や凹凸の変化を見逃さないことが確実な診断や治療につながるという。