4分の1が手術や治療を延期 医療体制逼迫にがん治療も影響 患者会調査


乳がんなどの患者を対象にした調査で、新型コロナウイルス感染拡大を受け、手術の延期など治療に影響を受けている人が回答者の約4分の1に上ったと、女性特有のがん患者が参加するインターネット患者会「ピアリング」(上田暢子代表理事)が発表した。各地で医療体制が逼迫(ひっぱく)する中で、がん治療にも深刻な影響が出ている実態が浮き彫りになった。調査は4月19~25日、インターネットで実施。計1101人から回答を得た。回答者の疾患は、乳がん78・9%▽子宮頸(けい)がん・子宮内膜がん10・7%▽卵巣がん7・7%――など。「がん治療に関して影響を受けている」と回答した人は272人(24・7%)。具体的な影響(複数回答)を尋ねたところ、医療機関の事情で化学療法など手術以外の治療を延期した人が46人、手術を延期せざるを得なくなった人も19人いた。診察の延期(41人)▽検査の延期(29人)▽乳房再建の延期(27人)――など、医療機関側の事情による影響だけでなく、感染への不安から通院の予定を自ら延期した人(57人)も多かった。また、9割以上が「自分や家族が感染する不安を感じている」と回答。自由回答では「行政には感染症以外の疾患にも目を向けてほしい」「治療の遅れで取り返しのつかないことにならないようにしてほしい」などと訴える声もあった。上田代表理事は「必要な人が適切な治療に結びつくように、一人一人が外出自粛などの行動を徹底して医療現場を守ってほしい」と話している。【岩崎歩】

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