意識障害なら髄膜炎考慮を 新型コロナで神奈川県立病院


新型コロナウイルスに感染して髄膜炎となった症例が山梨大医学部付属病院に続いて神奈川県立足柄上病院でもあり、報告が8日までに日本感染症学会のホームページに掲載された。報告によると、患者は73歳の男性。新型コロナが直接、髄膜炎を引き起こすと証明されたわけではないが、意識障害や原因不明の髄膜炎の場合は感染による髄膜炎を考慮する必要性が示された。髄液のPCR検査は、最初に行った神奈川県衛生研究所では陰性となり、山梨大に依頼した2回目で陽性となったことから、繰り返し検査する必要があるかもしれないと指摘している。この男性は糖尿病と高血圧、脂質異常症などの既往歴があり、外国に行ったことはない。足柄上病院に入院する14日前に発熱や体のだるさなどが生じ、別の病院を受診して抗菌剤でいったん熱が下がったが、再び発熱し、意識障害に至った。胸部のコンピューター断層撮影(CT)画像で新型コロナ感染が疑われ、通常のPCR検査で陽性となったため入院した。一方、山梨大付属病院で髄液から新型コロナが検出され、髄膜炎と診断された症例は、論文が国際感染症学会の専門誌に掲載された。この24歳の男性は発熱や頭痛、疲れを感じ、近所の医院で抗インフルエンザ薬と解熱剤の処方を受けたが、症状が悪化。別の医院も受診したが、発症から9日目に意識を失って倒れているのを発見され、救急搬送された。

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