NECソリューションイノベータは9日、数滴の血液から病気の発症リスクや健康状態を診断するヘルスケア事業の新会社を設立すると発表した。米医療ベンチャーの解析技術にNECの人工知能(AI)を組み合わせ、健康状態を可視化する。医療機関との提携を広げるなどして、2030年3月期には国内外で売上高1千億円を目指す。100%子会社の新会社「フォーネスライフ」を設立する。米ベンチャーのソマロジック(コロラド州)と協業する。数滴の血液中に存在する5千種類以上のたんぱく質の解析が可能になる。血液中のたんぱく質の種類や量をNECのAIを活用して分析、個人の健康状態や数年後に疾病を発症するリスクを可視化する。まず10月に医療機関などでサービスの提供を始める。循環器疾病のリスク診断から開始し、今後は糖尿病や認知症など、50以上の疾病で将来リスクが分かるようになる。正解率は70%以上といい、今後はフィットネス会社と組んで健康状態の改善プログラムを提供するなど、幅広い業種で協業先を開拓。東南アジアなどを中心に海外展開も進め、約10年で1千億円規模の事業に育てる。