厚生労働省は2024年度介護報酬改定、障害報酬改定で予定する介護(福祉)職員の処遇改善加算に関連し、それぞれ既存の三つの加算を一本化するための検討を行っている。加算を請求する事業所の事務負担を減らすことが狙い。一本化した加算は介護(福祉)職員への配分を基本とし、経験・技能のある職員に重点配分するが、事業所の判断で柔軟に配分できるようにする。「基本的な待遇改善・ベースアップ」「資格や経験に応じた昇給の仕組みの整備」「職場環境改善による職員の定着促進」「経験・技能のある職員の充実」に応じて4区分設け、加算率に差をつける。介護報酬改定における一本化加算については11月30日の社会保障審議会介護給付費分科会で具体案を示した。新名称は「介護職員等処遇改善加算」とし、月額賃金の改善を促すため、最下位の新加算4.の加算額の2分の1以上を基本給か毎月の手当ての引き上げに充てることを要件とする。また、職場環境等要件(現行で6区分・24項目)について生産性向上に関する項目を中心に見直し、上位の新加算1.・2.では新たに追加する「業務改善活動の体制構築(委員会の設置、外部研修会の活用など)」と「課題の見える化」を必須項目とする。いずれの要件も25年度から適用する。新加算への移行にあたり、現行の処遇加算1.の要件である「昇給の仕組みの整備」、同2.の要件である「賃金体系の整備および研修の実施」などを満たすには賃金規程の改定など一定の手間がかかるため、24年度はそれらの適用を猶予し、現行の加算率を維持できるようにする。一方、障害報酬改定における一本化加算に関しては11月29日の検討チームで明らかにした。これまで処遇改善加算の対象外だった「就労定着支援」「自立生活援助」や25年10月施行の「就労選択支援」についても対象とする。障害福祉分野では過去15年間で利用者が3・4倍に増えたのに対し、福祉・介護職員は2倍増にとどまる。厚労省によると、22年の障害福祉分野の職員の給与(賞与込み)は、全産業平均より6万3000円低い29万8000円。職員確保の厳しさは深刻で、厚労省は事業所による処遇改善加算の取得を促すことが急務とみる。アドバイザーは、加算の一本化や対象サービスの拡大に賛同した。The post 介護・障害の処遇改善加算、それぞれ一本化 事業所の事務負担軽減 appeared first on 福祉新聞Web.