iPSから作製、筋肉修復する幹細胞を効率よく選別…京大など開発


人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った筋肉を修復する幹細胞を、効率よく選別する手法を開発したと、京都大iPS細胞研究所の桜井英俊准教授(再生医学)らのチームが2日、米科学誌ステム・セル・リポーツ(電子版)で発表した。筋肉が衰える難病「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」の治療法開発につながる成果という。6年後の治験開始を目指す。この病気は、遺伝子の異常で筋肉の線維が壊れ、筋力が低下する。チームによると、国内の患者数は約5000人で、主に男児に発症する。一部患者に効く治療薬はあるが、幹細胞を使った根本的な治療法の実用化が期待されている。チームは昨年7月、人のiPS細胞から作った幹細胞を病気のマウスに移植し、筋力を改善させたと発表した。ただ、作製の途中で様々な種類の細胞が混じってしまう。筋肉を修復する幹細胞だけを選別するためには、遺伝子を改変して目印を作る必要があり、安全性などで課題があった。今回、チームは、筋肉を修復する幹細胞の表面に元々あり、目印となる2種類のたんぱく質を特定。目印を手がかりにすれば、幹細胞を正確に選別する確率が95%まで上昇した。

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