北大発のベンチャー企業で医療関連機器を製造するメディカルフォトニクス(札幌)が、特殊な光を当てることで採血せずに血液中の脂質を測定できるシステムを開発した。食事内容による脂質吸収量の違いを分かりやすく表示するのが特徴で、十勝管内士幌町と後志管内赤井川村が新年度、肥満リスクが高い住民への特定保健指導で利用を始める予定。住民の食生活改善を後押しするとして、道内の他自治体にも採用を働き掛ける。同社は脂質を含んだ血液中の成分が近赤外光と呼ばれる光を反射させやすいことに着目。縦6センチ、横4・5センチの測定器を腕の静脈の上に約10秒間置き、機器が発する光がどの程度反射されるかなどを読み取る。朝食前の空腹時の測定結果と、食後から数時間以内の結果を比較し、脂質吸収量を5段階で数値化する。数値データはスマートフォンに送り、専用アプリに表示。飯永一也社長は「脂質の吸収しやすさは個人差があるが、油っぽい食事の後は数値が大きくなる」と話す。