武田薬品工業は10日、ANAホールディングス(HD)と共同でドローンを使って医薬品を配送する実証実験を22日に始めると発表した。オンライン診療で処方した医薬品を長崎県の離島の間で搬送。定期船と陸路による配送と比べ30分以上時間を短縮する。離島に住み通院が難しい患者に対し、持続的に医療を提供する体制を整える狙いだ。長崎大学や五島市、NTTドコモなどと協力する。実証実験では処方箋医薬品を長崎県五島市の福江島から16キロメートル離れた久賀島に向けて運送する。インテグリティ・ヘルスケア(東京・中央)が提供するシステムを利用してオンライン診療と服薬指導をしたのち、患者の自宅に向けてANAHDのドローンを飛ばす。長距離輸送に向く翼を固定した型のドローンを使うことで迅速に医薬品を届けられるという。緊急性の高い医薬品を医薬品卸を通じて診療所にドローンで運搬する実験も実施する。武田薬品は「医薬品卸と協力して医薬品を流通させるノウハウを生かす」といい、二次離島をはじめとした地域医療の拡充に向け行政とも連携を続ける予定だ。